俺は国家公務員として数多くの引っ越しをしてきた。国税職員の異動は毎年7月に行われ、かつ引越代は自費でなかったから気づかなかったが、今回3月に民間企業に転職することになり、引っ越しの見積もりを取っていると、3月の引っ越し費用が高すぎることに気が付いた。
引っ越しの料金は需要と共有のバランスで決まっており、大半の日本企業の決算期である4月近辺と10月近辺は需要が多くなることから、引っ越し料金が跳ね上がる。この時期の引っ越しはそもそも人手不足の現代において、引っ越し業者が捕まらなかったりもする。
当時無職で大金を払えなかった俺は、引っ越し業者を使わずに格安で引っ越しをする方法を調べ、格安引っ越しを実現させたのでその記録を綴りたい。
転勤族で物が少ない単身の俺のように、荷物が比較的少なく、安く引っ越しをしたい人に参考にしてほしい。※2024年3月に引っ越しをした時の実体験をもとに記事を出費つしています。
格安で引っ越しを成功させるためには宅急便を使う

価格が高騰している引越し業者を使わずに引っ越しを行うには宅急便を使う。宅急便で引っ越しをするメリットとデメリットは下記のとおり。
メリット
1 料金が安い
宅急便を利用して引っ越しをすることができれば3月の高騰した引越代金を払わないで済む。実際に3月に引越業者に対して見積もりを行ったが、たいして荷物が多くないのにも関わらず、20万円~30万円の見積もりを出された。この金額は1か月分の俺の給与に相当するもので、ただ引越をするだけなのにこの金額を取られてはそもそも無職の俺の労働意欲が削がれる。
これが宅急便で引っ越しをすることで、後述するが5万円前後の引っ越しが可能である。
2 料金の時期的変動がない
宅急便の料金は荷物の大きさによって定額〇円と決まっており、3月に荷物を送っても5月に荷物を送っても定額料金でとなるため、料金の高騰に悩まされる必要がない。荷物が少ない人にとってはかなりリーズナブルな引っ越しができる。
3 配達、集荷時間の融通が利く
引越し業者の場合、繁忙期になるとそもそも配送トラックが不足しているとの理由で、引っ越しを断られたり、抱き合わせで荷物を発送するため、一日単位で時間の調整が必要になる。一方で宅急便の集荷は基本的には拒否されないため、自分の好きな時間に荷物の配送をお願いできる(持込の場合)。集荷も荷物受け取りも時間指定の融通が効くため、時間的に不自由なく引っ越しをすることができる。
デメリット
1 ものが壊れても自己責任※
実際に宅急便で引っ越しをしてみて、引っ越し業者と比べて、荷物の搬送が雑であると感じた。実際に、俺は佐川急便で引っ越しを行ったが、段ボールに穴が開いていたし、引っ越しをした後1か月で電子レンジが故障した。ただし、宅急便でも「ワレモノ」扱いとすることで、その扱い方を指定することができるので、ある程度は緩和することができると思う。なお、緩衝材を利用しなかったことも電子レンジが壊れた原因であると思われるため、後述するがこの方法で引っ越しをする場合には合わせて緩衝材を用意する必要があると思う。ただ、緩衝材なしでも自分の衣類などを緩衝材として利用することで、食器などは無傷で運ぶことができた。緩衝材なしで運ぶ場合には梱包の工夫が必要になってくる。
※運送保証がある場合があります。
2 梱包が手間
引っ越し業者の場合は契約締結後、荷物を梱包する資材と段ボール、ガムテープなど引っ越しに必要なものが一式送られてくる。
一方で宅急便で引っ越しをする場合には、この梱包資材をすべて自分で用意する必要がある。また、宅急便の場合には自ら送り状を記載し、段ボールに貼付しなければならない手間も発生する。ただ、結局引っ越し業者を使う場合でも自分で段ボールに荷詰めしなければならないのは変わらないので、最も面倒な作業である荷詰めが発生する点はどちらも一緒。
3大きい荷物が送れない
基本的には段ボールに荷物を詰めて送ることとなるため、荷物が段ボールサイズ以下である必要がある。このとき、大きい荷物でも分解して段ボールに入れば送ることができるが、この段ボールにスタッキングしていく手間も生じる。ただ個人的には、どうやってこの段ボールにつめてやろうかと考える時間は無心になれたので、ある意味楽しかった。
宅急便業者の大手は3社(料金比較)
ここでは北海道⇒東京などの関東圏の引っ越し料金を比較する。なお、料金は2025年2月16日時点のもので、サイズは俺が実際に引っ越しで使った140サイズを比較する。
日本郵政
〇料金表

140サイズの荷物一つにつき北海道⇒関東まで2,680円。集荷は無料。郵便局またはゆうパック取扱所に荷物を持ち込むことで、荷物一つにつき120円の持込割引を受けられる。また、ゆうパックスマホ割アプリを使うことで荷物一つにつき180円の割引が受けられる(持込割引きとの同時適用はできない)。段ボールは最大120サイズで380円。
〇段ボール

ヤマト運輸
〇料金表

北海道⇒関東で140サイズの荷物一つにつき2,710円(集荷料金は無料)。ヤマト運輸営業所へ荷物を持ち込むとクロネコメンバーズに登録済の場合上記金額から150円が、クロネコメンバーズでなくても100円が上記の金額から割引かれる。またコンビニ(セブンイレブン・ファミリーマート)に荷物を持ち込んで送ることが可能。段ボールの販売も行っており、140サイズで370円。
〇段ボール

佐川急便
〇料金表

北海道⇒関東まで140サイズ荷物1つにつき2,710円。営業所・サービスセンター・取次店に荷物を持ち込むことで上記の金額から100円が割引される。140サイズの段ボール1つにつき286円で販売している。
〇段ボール

料金まとめ
3社の中では日本郵政が最も安く荷物を運ぶことができる。郵便局が家から近い場合には、荷物を持ち込むことで、最安2,500円で140サイズの段ボールを発送することが可能である。なお、段ボールを購入するのに最も安いのは佐川急便であった。
集荷料金 | 持込料金 (最大割引適用あり) | 段ボール | |
日本郵政 | 2,680円 | 2,500円 | 380円 |
ヤマト運輸 | 2,710円 | 2,560円 | 370円 |
佐川急便 | 2,710円 | 2,610円 | 286円 |
※140サイズ荷物を北海道⇒関東へ送る場合の値段。税込み表示。
準備
引っ越し業者を使って引っ越しをするのと同様、引っ越しする際はその準備をする必要がある。
引越用段ボール、梱包資材を用意

引越し業者を使用する場合には、引越用段ボールについても引越代金に含まれ、業者が用意してくれることから、自分で段ボールを用意する必要がない。
一方で宅急便で引っ越しする場合には荷物を入れる段ボールが必要となる。上記で見たように宅配業者から買うと最低でも140サイズで一つ286円かかる。
段ボールはアマゾンで買うことができるので、ひと箱当たり257円まで下げることが可能である。下には俺が実際に宅急便で引っ越した際に買った段ボールを載せておく。安くはなるが、正直金額のインパクトが少ないので、佐川急便で引っ越しをするなら、一緒に段ボールを買っ手もいいと思う。
また、梱包資材としてプチプチの緩衝材も安いので買った方がいいと感じる。緩衝材なしで引っ越しを行ったが、食器などのワレモノは無傷で運ぶことができた一方で、電子レンジは引越し後調子が悪くなり、引っ越し後1か月で故障してしまった。金額としても千円もしないので、安い緩衝材があると安心である。
送り状の記入と集荷依頼

集荷の際には送り状を貼付した段ボールを用意しておく必要があることから、送り状をあらかじめ用意する必要がある。送り状は電話で取り寄せることができるため、集荷日までに取り寄せ、記入し、段ボールに貼付する。このとき、食器などのワレモノにはワレモノであることを伝えることで、ワレモノ荷物として対応してもらうことができるため、何の段ボールに何が入っているかわかるようにしておく必要がある。集荷の依頼はインターネットや電話で行うのが一般的であると思う。
洗濯機と大型家電だけ別料金をかけて運送

引っ越し先にはガス台、冷蔵庫が備え付けられていることが分かった。このため、ちょうど10年程使っていたガスコンロと冷蔵庫は処分した。洗濯機の運送料金は●円になった。
ヤマトホームコンビニエンス(現アートセッティングデリバリー)を利用
現在はアートグループに買収され、アートセッティングデリバリーという会社になっているが、以前はヤマトホームコンビニエンスという会社が、ベッドや冷蔵庫など、大型の家具や家電1点から配送してくれるサービスがあり、これを利用した。自宅まで2名のスタッフが家具家電を引き取りに来て、梱包もしてくれて運んでくれるというサービスであった。お届け後はすぐに使用できるよう開梱・設置・廃材(梱包材)回収まで行ってくれる。
〇料金表(北海道から東京まで)

家具家電を一点から運んでくれるため、少ない荷物であれば引っ越し料金を低額に抑えることができる。一方で運送する大型の家具家電を運ぶこととなると、割高になってしまうため、大学入学から使っていた古い家具はこれを機に処分した。上記は当該サービスの料金量であるが、例えばシングルベットや机、ソファなどは上記のDランクまたはEランク荷物に該当し、一つの運送に2~3万円かかることから、引っ越しでこのサービスを使うとなると、現地調達のほうが割がいいものになってしまっている。
このため、ガスコンロ、ベット、作業机と椅子については、引っ越しの際に処分した。
一方で、一人暮らしようの冷蔵庫と洗濯機は」上記のBランクとCランクのの荷物に該当するため、比較的割安に運ぶことができることに着目し、冷蔵庫及び洗濯機はこのサービスを用いて運ぶことにした。
合計52,540円で引っ越しに成功

実際に俺が引っ越しに使った段ボールは11個であった(Amazonで買った段ボール10個では足りなかったため、近くの郵便局で1個追加発送)。
また上記のとおり別途冷蔵庫+洗濯機の運送代金が19,780円かったため、下記のとおり、52,540円で引っ越しができた。引っ越し業者での引越をする際は20~30万円するところ、格安で引っ越しすることに成功したといえる。
料金 | |
段ボール10個(140サイズ) 運送料金(佐川急便) | 27,100円 |
段ボール代(Amazon) | 2,570円 |
段ボール(別途購入) | 380円 |
段ボール(120サイズ) 追加発送料金(郵便局) | 2,340円 |
冷蔵庫、洗濯機の運送料金 | 19,780円 |
合計 | 52,540円 |
※梱包材は使用しなかったため、料金から除いております。
最後に

今回、準ミニマリストであったことが功を制し、格安引っ越しを成功させることができた。これからの人生において、仮に地元に戻るときにも家具家電が少ない方が何かと安く身軽に行動できるため、かなり便利である。引っ越し難民が多くなる季節、俺と同じように単身で荷物が少ない人には同じような引っ越しの方法を検討してみてほしい。
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