【アークテリクスのアロー22辛口レビュー】普段使いの場面ではおすすめしない

レビュー

 アークテリクスのバックパックと言ったらアロー22を思い浮かべる人は少なくないはず。20年近く、アークテリクスのシンボル的なアイテムとして活躍しきたアロー22は、独自の形状でなぜか街歩きの場面で多く見かけるようになった。

 そんな俺も3年前にアロー22を購入し、街歩きやアウトドアの際にこのリュックを使用していた。このバックパックは本来ランニングや登山をする人向けに作られており、独自の機構を備えているものの、洗練されたデザインと機能性から、多くの人が使用している。ここではこのリュックの辛口レビューをしていきたい。このバックパックは20年近くの間、同じスペック、形状のままで販売され愛されつづけてきた。今後もこのバックパックのメジャーチェンジはないと思うので、今後このバックパックの購入を検討する人は参考にしてみてほしい。

アークテリクスとは

引用:アークテリクスHP

 アークテリクス (Arc’teryx) は、カナダのアウトドアブランドで、もともとはクライミング用のハーネスの製造会社であったが、多くの登山家にその高い技術が認められ、現在まで発展してきた歴史のあるブランドである。特に登山、ハイキング、スキーなどのアウトドア活動において、厳しい自然環境でも高い性能を発揮する高品質な製品を販売している。多くの製品は、耐久性や防水性、軽量性に優れている上、デザインもシンプルで洗練されているものが多く、街歩き用としても需要がある。そのため、単にアウトドア愛好者のみならず、一般の顧客にも受け入れられ、普及している。

 ブランド名と特徴的なロゴは、最古の鳥類である始祖鳥(Archaeopteryx)が由来である。

外観

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 メイン収納が一つと中央にカンガルーポケットが一つある。アークテリクスのロゴが中央右側にグレーで印字されている(昔のバックパックはここが金色であったが数年前に変更されてたようである)。色は表面が黒色、側面がグレーで統一されており、洗練されたスマートな見た目になっている。この見た目に憧れて購入した人も多いのではないだろうか。

基本スペック

項目スペック
値段¥37,400 (税込)
大きさ(メーカー公表)55cm×30cm×25cm(縦×横×高さ)
大きさ(実寸サイズ)55cm×36cm×18cm(縦×横×高さ)
容量22L
重さ1080g
アークテリクス公式オンラインストアより作成

 大きさは飛行機の手荷物サイズ(56cm×36cm×23cm)に収まるものとなっている。

サイドポケット

 右にも左にもサイドポケットが付いており、ペットボトルなどが収納できる。どちらも十分な深さが確保されており、ペットボトルを挿入時にしゃがんだ際にも落ちることはない。。この両ポケットはメッシュになっていて、濡れたタオルなども収納できるところが、使い勝手が良かった。

〇右サイドポケット

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右サイドポケットはマジックテープで閉じられるようになっている。

〇左サイドポケット

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 左のサイドポケットは伸縮するゴムで閉じられるようになっている。

底面

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 底面は斜めになっており、自立しない構造になっている。荷物を入れる時も荷物が斜めに入ることから、お弁当など、水平を保たなければならない荷物を入れるには適していない。一方で底面の面積は広いことから、大きなものもある程度入れることができる。

ハンドル

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 ハンドルはハイドレーションのチューブポートが右側についているため、少し右寄りに設置されている。ただし、普段の使い勝手は特に不便ではない。

止水ジッパー

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 全2つある入り口はすべて止水ジッパーが使われており、水を通さないものになっている。また、ジッパーは黒いプラスチック製で「Arc’teryx」と刻印されている。

背面

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 背面の面積は大きく、クッション性も申し分ないため、重さを感じない仕様となっている。大きくアークテリクスのロゴが印字されている。

 この背面には形状が崩れないように湾曲したプラスチックの板(サーモフォームバックパネル)が入っている(内部からアクセス可能)。このプラスチック版が湾曲していることで、意図的にバックパックが背中に密着しないようになっており、蒸れないような仕様になっている。

〇プラスチック版

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ショルダー部分

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 ショルダー部分の厚さは1.5cmほどでかなり肉厚になっており、重い荷物を背負っても、肩への負担が少ない。

〇ショルダーストラップ

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 肩の形にフィットするように両方のショルダー部分にストライプが付いている。子のストラップを締めることでショルダー部分が浮き上がり、肩幅に応じて背負うことができるようになり、体への負担を軽減してくれる。

〇カラビナリング

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 右のショルダー部分にリングが付いており、カラビナがあれば小型ポーチなどもぶら下げることができ、小物を取りやすい収納を追加することができる。

チェスト/ウエストベルト

〇チェストベルト

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〇ウエストベルト

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 チェストベルトとウエストベルトも完備している。作りはかなりしっかりしている。

カンガルーポケット

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 このバックパックで一番の魅力はこのカンガルーポケット。バックパック中央に位置しており、大きい開口部を持つため、印象的に映る。容量が少なそうに見えるが、実際はかなりの容量が確保されており、使い勝手がよい。実際に計測してみたところ、意外にも500mlペットボトル5本も入れることができた。この部分の外側はナイロンの特殊素材で覆われているため、耐久性があるが防水性に関してはポケット下部にある2つ穴(ハイドレーションのチューブポートか?)から雨水が入り込むため、ないと考えてよい。ナイロン素材の防水性は完璧であるので少し残念な仕様である。

〇2つの穴

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〇キーフック

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 キーフックがあり超便利。街歩き用バックパックにはもはや必需品であると考える。

内部構造(メイン収納)

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 底面は斜めになっているものの、内部は奥(底面)が広く、手前(上部)に近づくにつれて、収納容量が狭まるような三角型の形状をしている。上記の写真のように底面側(奥側)は底面に沿って縦にペットボトルを入れることができるくらい広い。

〇開口時

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 中身に対して6割ほど開口できるようになっており、どこに何の荷物が入っているかわかるようになっている。最も大きいメイン収納スペースで、20L程度の容量の大きなスペースとなってて、おおよそ一泊分の荷物や着替えが入る。

PC入れ

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13.3インチのPCもすっぽり入る。メーカー説明では15インチのPC入れであるとされている。

ハイドレーションチューブポート

〇 外側

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 ハイドレーションのチューブを通す機構がある。メイン収納の裏側からバックパック上部左側に繋がる穴が開いており、長距離ランニングするときに重宝する。普段の街歩きでは使わないが、あえてこの機構を活用するのであれば、写真のように、USBケーブルを通して常時モバイルバッテリーからスマホ充電がをするように活用することはできる。

 普段使わないときに穴を閉じるボタンが付いている。

〇 内側

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円で囲んだ部分から外に繋がっている。穴は開いているものの使っていて防水性は問題ないと感じた。

メッシュの小物入れ

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 本来はハイドレーション本体を入れるために作られた機構であるが、小物入れとして使える。従来と比べてジッパーにより開閉ができるようになっていることから、小物類を複数格納しやすくなった。メッシュ素材となっており、何の荷物がどこに入っている一目でわかる。

このリュックのデメリット

すぐ汚れが付き、落ちない

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 ナイロン素材になっている部分はちょっとした摩擦で白く汚れるほか、例えばティッシュなどの繊維質なものと擦れると、その繊維がすぐに付着して汚れる。日常使用する際にはこまめな手入れが必要になる。

とはいえ、水をかけながらスポンジでこするだけで十分にきれいになるので、手入れが難しいということでもない。

〇手入れ

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完全防水ではない

 先にみたようにカンガルーポケットには2つ穴が開いているため、雨水が侵入し、完全防水にはなっていない。また、メイン収納部分についても、ナイロン生地や止水ジッパーは完全防水となっているが、防水加工がされていない側面の部分(グレーの部分)や縫い目から場合によっては浸水する。完全防水と誤認してしまい、PCなどの精密機器を持ち運んでいる場合は痛い目を見るので注意が必要である。 ただ他のバックパックと比べて防水性はかなり高い方であり、雨天の街歩きに使うには防水性能は問題ないと感じる。

外出先で置き場所に困る

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 底面が斜めになっているため、自立することができない。このため、外出先において地べたにバックパックを置かざるを得ないときには、カンガルーポケットを底にしておかなければならず、衛生的でない。

 また、背負い心地向上のためにショルダー部分のストラップを閉めてショルダー部分を浮き上がるようにして利用していると、荷物を置くときに場所を取る上、椅子の背もたれにかける時も場所を取り不便になる。

 このバックパックは容量は22Lと比較的少ないものの、背負い心地向上の観点から、背面の面積が大きい上、背面には強固なプラスチックの板が入っているため、良くも悪くも場所を取る。例えば日帰り温泉などのロッカーを使うときには、収納が難しく、不便であると感じた。

通勤に使うには不向き

 メーカー説明では15インチノートパソコン用のパッド入りスリーブを備えているため、「通勤から日帰りハイキングまで幅広く使える」と説明があるが、通勤に使うには重装備過ぎて個人的に違和感がかなりある。肉厚すぎるショルダーパット、ウエストベルトやチェストベルトもしっかりしたものになっており、全体的にゴツいため、スーツなどフォーマルな服装には合わない。当然商談などの場面には背負っていけないし、底面が斜めになっている構造も会社で使うには不便すぎる。

メリットは2点

 デメリットを話したが、もちろんメリットもある。

背負い心地

 なんといってもこのバックパックは背負い心地が良い。背面には湾曲したプラスチック板がついているため、人の背中とあえてジャストフィットしないような構造になっている。このため背中部分の通気性が確保されており、夏場でも快適に使える。

 また、ショルダー部分がしっかりしており、肩で重さが感じないような仕様になっている。

かっこいい

 アロー22は他を寄せ付けない独特のかっこいいデザインである。このデザインはこのバックパックを購入しなければ手にすることはできないもので、唯一無二であると言える。

最後に

 カッコよさを追求する人にはお勧めできるが、日常での機能性という観点からはオーバースペックであり、逆に場所を取るなど邪魔になることが多かった。見た目で購入を検討するのはいいが、単なる日常使いにはお勧めしない。

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