昨今のコンパクト財布ブームの火付け役として、数年前から注目を浴びている財布である「ミッレフォッリエ」。俺が使用してから5年になるので、今更ではあるがレビューをしていきたい。この記事では、この財布を5年間使った俺の使用感を記載することで、同じ財布の購入を検討している方に有益な情報を届けることを目的としている。
なお俺は面倒くさがりなため、この5年間一切財布の手入れをしていなかった。このため、通常の人より少し劣化の進行が速いかもしれない。
結論を述べると、この「ミッレフォッリエ」は人にお勧めできるいい財布である。5年使って「いい財布だった」といえる代物であり、俺の中では10点中8点をつけることができる。ただ、改善点もあるので、詳細についてこれから記載していきたい。
ミッレフォッリエとは
引用元:m+ホームページ
ミッレフォリエとは、株式会社エムピウ(東京都台東区)が手掛けるm+(エムピウ)ブランドの財布の一つ。財布が1枚の本革で作られており、時間の経過とともに革の色味の変化を楽しめるコンパクト財布である。財布の開閉は2つのキボシを利用し、ファスナーやボタンを使わない構造で、洗練されたデザインが人気となっている。また、外観だけではなく、使い勝手の良さにも定評がある。
現在は人気のあまり抽選購入制となっている。
millefoglie | m+ online (m-piu.com)
値段とサイズ
ミッレフォリエには、D(奥行き)の長さによって下記の2つの種類がある。
また、ここでいう奥行とは写真のとおり平面を下に置いた時には高さのことを表す。この2つはカードや小銭、お札の収納容量が異なる。
・millefoglieⅡ P25(W110×H85×D25mm、100g):税込み23,100円。
・millefoglieⅡ P30(W110×H85×D35mm、110g):税込み24,200円。
分かりやすいサイズ感としては、一般的な名刺入れを縦に2つ重ねたくらいの大きさである(下記のとおり)。通常の折り畳み財布(正方形に近い財布)に比べ、横の長さがかなり短くなっている。
左:ミッレフォリエ、右:名刺入れ
俺はせっかくコンパクト財布を買うのだから、厚みが少ない前者の財布を選択した。後述するようにP25でもかなりのカードや小銭を収納でき、充分すぎる容量が確保できていると感じている。
商品概要材質とディテール
外観
5年間使用したミッレフォリエの外観は上記のとおり。一つの革がぐるっと繋がってできている構造となっており、財布の開閉部分には金色のキボシが使われている。淵の部分はしっかりとした縫い目がある。キボシを差し込む部分には穴が開いている。穴には下に切り込みがあり、ある程度財布が膨らんでもキボシを止められるよう設計されている。
レビューではよく、キボシの穴が緩んで長く使うと財布が閉じなくなうのではないか、との心配の声もあるようだが、6年目の今も全くキボシの穴は広がらず、快適に使えている。広がる気配もないのでその心配は無用と感じる。
中身
札入れと定期入れ
小銭入れの裏にお札を半分ほどを差し込む形でお札入れのスペースがある。お札と接する面は、綿素材となっており、汚れが目立たないようになっている。
入れたお札を止める役割として、カードを1枚入れることができるスペース(左側、定期入れ)がある。ここに通勤定期券(Suica等)を入れることで、閉じた状態の財布をかざして改札を通過することが可能。なお、何枚もお札が入っていても、改札に反応しないことは無かったので安心してほしい。
材質は外側で使用されている革とは異なるピッグレザーが使われており、高級感がある。
上記写真では、左の定期入れの革の素材と右のカード入れの裏の素材が異なることが分かる。
カード入れ
カード入れは写真のとおり大きく3つのスペースに分かれている。合計して厚さ1cm分程のカードを入れることが可能。とはいえ、入れすぎるとキボシが閉まらなくなることがある。
小銭入れ
小銭入れの開閉にはボタンが使われている。開くと底面に対して90度程開くようになっていて、何の小銭が入っているか一見して分かるようになっている。お札入れのスペースと同様、小銭の接する面は綿素材となっており、汚れが目立たないようになっている。
こちらのボタンは開閉がスムーズであり、開閉時にストレスはかからないものとなっている。
色合いの変化比較
俺が買った色は「 tabacco×choco」という色で、一般的な茶色革のもの。ここでは5年間使用したものと購入当初のものの色合いを比較していく。
HPの色合い
まずHPの色合いを見ていく。写真の移りも良く、かっこいい。
m+ホームページ『Prodacts』>『WALLETS』>『millefoglieⅡ P25』>tabacco×choco
購入当初の色合い
購入当初の色合いは下記写真のとおり。少し赤みがあり、革特有のでこぼこした材質であった。光沢はなく、どちらかというとマッドな色合いで、HP上の色合いとほぼ同様である。
6年目の色合い
使用6年目の色合いは、購入当初の赤みは消失し、黒みが多くなっている。また光沢が発現し、形状も丸まってきた。
キボシを止める穴は長年使っていると馴染んできて、使い勝手がかなり良くなっている。新品の野球グローブを使っていけば行くほど、手に馴染んでいくのと同じ感覚である。
折りたたむ部分には、皺がつき、擦り傷なども目立つ。見る人が見れば「育ってきた」と言える。
メリット
唯一無二のデザイン
この財布の魅力は何といっても外観のデザイン。お財布の開閉を金色のキボシで止めているところが個性的でかわいい。
実際に同僚や友達にこの財布を褒められることが多々あった。形状が珍しいものである一方で、大手財布ブランドのようにロゴが目立つものでもなく、落ち着いているコンパクトなシルエットである。
小銭とお札を取り出しやすい
小銭は一目散に何がどこにあるか分かる。開口部は広く、コイン12枚分の面積があり、開いたときにコインの位置が一目でわかるので、会計の時もたつかない(下の写真参照)。当然この上にコインを重ねて収納もできるので、かなりの容量のコインが収納できることが分かると思う。
お札は1枚1枚数えやすい。下記の写真のように財布から出す前に数えることができ、会計の時にスマートにお札を取り出せる。
コンパクトであるものの収納力が抜群
まず、ミッレフォリエの財布は通常の折り畳み財布と比べてコンパクトである。メーカー説明では収納できるお金の数について、「 25サイズは紙幣10枚・コイン15枚・カード15枚程度が収納可能です。」と記載されている。
俺が手持ちの小銭等を駆使して最大容量を調査した結果は、下記のとおりとなった。
最大内容物(俺調べ)
・コイン31枚
・お札6枚
・カード厚さ1cm程度
カタログスペックよりかなり収納容量があることが分かると思う。なお、上記をすべて詰め込むと、下記のように外観がボコッと高くなり、不格好になる。
不毛な財布ブランド戦争から離脱できる
財布だけはブランド物を持つ人が多いこの日本で、不毛な財布ブランド戦争から離脱できる。ブランド物の財布を買おうとすれば、値段が張るものばかりであるが、この財布はそんなブランド物の財布よりも①コンパクトで機能性も良く②値段も安い、その上③デザインがいい といった性能を有する。周りには一目置かれるので、高級ブランドではなくてもいい意味で注目されるし、ブランド戦争の不毛な争いに巻き込まれることもない。まさに財布界のプリウスとも言える。
デメリット
お札がちぎれる
特に大きい10,000円札を入れるときや、お札をたくさん入れすぎたときにこのインシデントが起こる。お札が挿入部分の奥までうまく入りきらないときに、お札と一緒にキボシを止めてしまう(財布を閉めてしまう)ことで、お札がちぎれることがある。お札の枚数を管理することや10,000円札を外側に配置する(外周の方が長いから)などといった対応策はあるが、これは最大のデメリットであると感じる。
結局ポケットに入れられない
俺が使っていたミッレフォリエは25ミリのものであったが、結局ポケットに入れるには大きすぎる財布であると感じる。通常の折り畳み財布よりはサイズが小さいため容易に入れることができるが、ポケットの中の財布の存在感がかなり出てしまう。
とはいえ、長財布などと比べると携帯性はかなり向上しているので、ポケットの膨らみが気にならない人には問題ない。
スーツのジャケットの内ポケットにも入れてみたが、これはこれで、財布を入れた側のスーツが重みで垂れ下がってしまい、不格好なものとなった。
ひっかき傷は目立つ
5年使っているからかもしれないが、かなり傷が目立つと感じる。擦り傷や切り傷などは少ない力でも傷になってしまう。革であるので仕方ない面もあるが、人によってはネックになるポイントかもしれない。
最後に
この形に憧れて購入したい人は多いと思う。買っても恐らく損はしないいい財布と言える。
なお、俺は繰り返しないなるが、ノーメンテナンスで6年目まで余裕で使える耐久性もある。独特で唯一無人のデザインではあるが、ブランドロゴ等も無いので流行り廃りがない。是非とも次の財布として、このミッレフォリエを試してみてほしい。
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