先日1か月間タイ・バンコクを放浪していたんだけど、その中で4つのゲストハウスのドミトリーに概ね1週間づつ宿泊した。
ここでは当時の記憶が美化されないうちに、泊まったドミトリーの感想を書き留めることで、次回のタイ一人旅の参考とするとともに、これから格安でタイ旅行をしたい方、海外の人との交流にドミトリー宿を検討している方に向けて、宿泊地の決め手となるような有益な情報を残したい。
なお、俺が泊まったドミトリーは宿泊費が令和5年11月時点で1泊1,000円前後とかなり安い(アゴダセール時期も重なった)。土日祝日は需給のバランスによって宿泊費が変動するため、一概に宿泊費がいくらとは言えないが、宿泊料金の平均値も下記に参考として記載する。
円安の傾向は今後も続きそうなので、割高になる前に是非とも宿泊してみてほしい。また、当然宿からの紹介報酬は一切貰っていない。
ドミトリーに宿泊する利点
一人旅の場合、個室のビジネスホテルに泊まるのは、結局のところ室内空間を持て余すのでおすすめしない。そこで使用しなかった机、アメニティ、設備、その全てに宿泊料を払っているのであるから、使用しない設備が一つでもあれば金の無駄でしかない。だから、ドミトリーのような最低限の宿泊スペースだけが確保されている部屋の方が、支払った金銭の対価をきっちりと享受でき、理にかなっている。
何より、せっかくの海外旅行、異国の人、文化、空間に存分に触れ、非日常を楽しむべきであり、日本と変わらない室内空間に身を置くのは、複数人で旅行するならまだしも、一人旅では勿体無い。
ドミトリーは作りが簡易的ながら、快適に過ごせる共用スペース等があるところが多く、宿泊地として積極的に検討すべきである。また、俺が思うドミトリーの利点は以下のとおり。
宿泊料金が安い
タイ・バンコクで言えば、一泊400円で宿泊できる宿もあり、日本に住むより安上がりにできる。平均的なドミトリーの相場は大体1,000円~2,000円であるが、それでもシングルルームより半分以下の値段となる。
空きがあることが多い
ドミトリーは一部屋に何人も宿泊できるため、小さな宿でも宿泊可能人数が多い。このため空きがあることが多く、前日予約でも間に合うところがほとんど。また前日予約となると、むしろ割引になったりすることもある。
宿泊者同士の交流があったりする
一室で10人前後と寝床を共にするのだから、必然的に外国人との交流が生まれる。実際に俺も外国人の友達を作ることができ、一緒に観光をするまでに発展したりした。孤独に海外旅行を楽しむより、得るものも増える。
また、海外という日本人にとってアウェイな環境で、日本人同士が相部屋になると、親近感が芽生え日本にいるより日本人と仲良くなることも多い。これは海外のゲストハウス特有のものと言える。
ただ、東南アジアを放浪している日本人は危険人物であることもあるため、注意が必要。実際に俺が泊まったゲストハウスにいた日本人は奇声を発していて、現地警察にお世話になっていたりした。
共用スペースでくつろげる
そもそもゲストハウスは欧米人向けに作られているから、欧米人好みのカフェのようなおしゃれな空間になっていることが多い。空調はもちろん効いているし、コーヒーや食事も提供してくれるところもあるので、リラックスできる。
そして何より、海外の人は共用スペースでも各々自分の好きなことに没頭しており、他人のことなど気にしていない雰囲気がある。みんなが他人の目を気にする日本とは異なり、自由気ままにくつろぐことがきでる雰囲気が魅力だと感じる(最低限のマナーは当然ある)。
連泊時にチップ不要
タイにはチップ文化が浸透している。連泊時のベットメイキングの際、清掃員にチップを渡すのが暗黙の了解となっているが、ドミトリーでは連泊時にベットメイキングがないので、チップを払う必要がない。
結論:4つの宿の中ではHostel Movyledgeが最強
これから俺が泊まった4つの宿を紹介する。独断と偏見で、良かった点や悪かった点をとことん記載するが、結論から言うとHostel Movyledgeが一番のお勧め。
なお、スタッフの対応及びWi-Fiの速度、空調はどの宿も良く、快適であった。
Hostel Movyledge Bangkok Thailand
当時一泊1,370円(朝食付き)。対応言語は英語とタイ語。5階建て(客室は~4階)。俺の評価は10点中9点。
立地
・BTSスクンビットラインのラチャテウィ駅から徒歩2分の好立地。
・バンコクの中心地、サイアム駅まで一駅なので買い物に困らない。
・日本食レストランが隣接している。
・徒歩1分でカフェ複数あり。
・徒歩3分でセブンイレブン、レストラン(ココウォークがお勧め)複数あり。
・徒歩15分程度でBIG Cとプラトゥーナームマーケット及びインド人街あり。
寝室
・24時間365日冷房が付けっぱなしで快適。
大抵のゲストが外出中の日中には冷房が停止されるドミトリーが多いが、このドミトリ-は冷房が常時ついている。電気代が心配になるが、タイでゴロゴロする上では快適この上ない。
・ベッドが頑丈
部屋に二段ベッドがただ置かれているドミトリーに宿泊すると、ゲストが2階部分の寝室に戻る際に、どうしてもベットが揺れてしまい、他のゲストを起こしてしまうことがある。その点ここはベッドが頑丈であるため、他のゲストが2階に上がっても、客室が全く揺れない。
物干し
上記のとおり寝室内部に物干しがある。レンタルバスタオルは一枚無料となっている。
寝室内部
ベットはフカフカで綺麗。建物の入り口を開錠するために使うカードキーを寝室奥の差し込み口に入れることで通電し、照明が使える仕組み。これは唯一不便であったポイントで、トイレやシャワーでベッドを少し離れる時間中にはガジェット類を充電できない。
シャワールーム、トイレ
右側のスペースがトイレ、左側のスペースがシャワールームとなっており、それぞれ3つづついている。この部屋が2~4階に一部屋づつある。それぞれ男性専用、女性専用、共用となっている。
清掃は行き届いていて綺麗であり、シャワーの水圧も温度も水はけも快適であった。もちろんボディーソープとシャンプーは完備。換気はしっかりしていて、モワッとした感じはない。
共用スペース
1階部分(ロビー)
滅茶苦茶おしゃれな内装で広い共有スペースが魅力。洋楽が流れていて気分も良くなる。コーヒーや軽食も注文できるのでカフェのようにくつろげる。
写真では見づらいが、右奥にもスペースが広がっており、とても広い。また、右奥にあるドアから中庭にアクセスできる。
中庭
中庭だが電源にもアクセス可能。建物に囲まれているので眺めは良くないが、それが逆に日よけになって、過ごしやすい空間になっている。
別棟1階部分
このゲストハウスには別棟がある。朝食会場として使用されるが、日中は作業スペースとして利用可能。冷蔵庫、調理器具一式を兼ねそろえたキッチン、洗濯機及び乾燥機が1台づつある。
2階部分
下駄箱とリラックススペースが2階にある。ネットフリックスが見放題。
その他
無料朝食がある。
写真の他シリアル、オレンジジュース、牛乳等があった。※使い終わった食器は自分で洗う必要あり。
スタッフは24時間在中。
文句は特にない。
REST IS MORE Hostel
当時一泊1,236円(平日のみ宿泊、朝食なし)。対応言語は英語とタイ語。2階建て(屋上あり)。10点中8点。
立地
・MRTブルーラインのサムヨット駅から徒歩15分弱。
・少しバンコク中心地から離れるため、町に英語表記がなくなる。
・徒歩3分でタピオカミルクティー屋、日本食屋、ハンバーガー屋さんあり。
・徒歩5分でセブンイレブン、有名なパッタイ屋さん(ティップサマイ)、タイ料理ミシュラン掲載店(ジェイ・ファイ)等あり。
・個人的には南東に5分程度歩いたところのチェンコンチキンライスレストランのカオマンガイが安くて美味しいのでお勧め。
・カオサンロードまで徒歩25分程度。
・ワットポー、王宮、サナーム・ルアンまで徒歩30分程度。
寝室
ベットはかなり頑丈な上、清掃が行き届いており、フカフカで快適。室内にハンガーフックがあり、バスタオルをかけることができる。レンタルバスタオルは1枚無料。
見切れているが、写真左側には大きな窓があり、吹き抜けとなっている一階部分が見下ろせるようになっていて開放感がある(通常時はカーテンがかかっている)。
シャワールーム、トイレ
トイレとシャワールームが2階にそれぞれ2つづつある。男女が別々となっている。綺麗で清潔感があるが、換気スイッチと照明スイッチが兼用となっており、消灯時には換気がされないため、少しモワッとしていることがある。シャワー室の水はけと水温、水圧は問題ない。ボディーソープとシャンプーはもちろん完備。
なお1階にも男女共用のトイレが1つある。
共用スペース
1階共用スペース(ロビー)
共用スペースはこのとおりおしゃれ。コーヒーや軽食等のサービスはないが、お菓子、カップ麺、洗剤等の備品は受付で買うことができる。ダーツやサッカーのボードゲームなどの設置もあり、遊び心が感じられる。上の写真は手前側が見切れてしまったが、実は同じくらい広い作業スペースが広がっている(下記写真のとおり)。ここでは電源にアクセスしながらPC作業が可能。
一階共用スペース(2枚目)
中央部分にはレジがあるが、実は一階部分には大麻ショップのテナントが入っている。共有スペースは大麻ショップと兼用となっているが、大麻の匂いはしない。
キッチン
冷蔵庫、調理器具一式を兼ねそろえたキッチン、電子レンジ、湯沸かし器、洗濯機及び乾燥機が1台づつある。フリーのビスケットが置かれている。綺麗に清掃されていて、使い勝手も良かった。
2階共有スペース
通路にソファーがある程度だが、ここでもくつろげる。
屋上
昼はとても気持ちがよく、のんびりできる。大麻と煙草の喫煙所となっている。
また、観光地ワットサケート ラーチャウォラウィハーンが近く、ここから拝める。
夜は写真のとおり神々しく、迫力がある。
その他
とても親切で優しいスタッフが24時間在中している。洗剤販売があるのが意外に便利。
ドミトリーの寝室は2階であるが、2階に上がる際にスリッパが必要となるので注意。
シャワー室及びトイレの湿気が難点だが、その他に関しては清潔で過ごしやすい。バンコク中心部の喧騒が少し緩和されている立地であることから、ゆっくりしたい人にはお勧め。
Tropical Summer Cafe & Hostel
当時一泊1,163円。朝食なし。対応言語は英語とタイ語。5階建て(屋上あり)。俺の評価は10点中7点。
立地
・BTSシーロムラインのセイントルイス駅から徒歩13分。
・駅から宿に向かう場合は閑静な路地を5分程歩く。
・徒歩5分でセブンイレブンあり。
・徒歩10分程度でレストラン街(Simnara Food Work等)多数あり。
寝室
荷物の収納スペース(鍵付き)が1ゲストに2つ(ベットの下及び机の下に一つづつ)割り当てられ、かなりの大容量を収納できる。レモン系のフレグランスが香っていて、部屋はいい匂いに包まれている。
遮光カーテンを採用しているため、いつまでも寝れるが、ベットマットは結構固い。
シャワールーム、トイレ
トイレとシャワールームは2階と4階にそれぞれ2つづつある。写真はない。
3畳くらいの空間にシャワールームと洗面台が設置されており、それらがシャワーカーテン一枚のみで仕切られているため、シャワーに入ってから髪を乾かすときや歯を磨くときはモワッとしている空間の中にいなければならない。また、このホステルも換気スイッチと証明スイッチが兼用となっており、消灯時には換気がされないため、少しモワッとしていることがある。シャワー室の水はけ、水温と水圧は問題ない。
共用スペース
おしゃれな洋楽が流れていて明るい雰囲気。無料飲料水がある。ウォーターサーバー横に置いてある皿やコップは使うことができ、使い終わった食器はその下の返却口に置いて下げる仕組み。流しが無いので調理はできないが、皿等は洗わなくてもいいのは便利。建物入口前には喫煙所がある。
バーカウンターがある。スタッフに注文すればコーヒーや料理、アルコールも提供してくれる。
2階共用部分
ほぼ通路上にあり、狭いがネットフリックスが見れる。冷蔵庫が使える。
旅人が残した付箋。見ていると楽しくなる。
屋上
「Every Summer Has a Story」と書いていて、チルい。夜は電球がさらにいい感じの雰囲気を作ってくれる。喫煙所としても使用されている。
ただ日中は日光を遮るものが無いので、晴れた日に長時間いると丸焦げになる。
屋上には洗濯機と乾燥機があり、スタッフに洗濯物を渡してお金を払うことで洗濯が可能。
その他
おしゃれが追及されたゲストハウスで白人宿泊客が多い印象。宿内は清潔で問題ないが、①ベットマットが固いこと、②シャワー室と洗面台が一緒になっていることによる使い勝手の悪さが難点。
共用部分の消灯が10時頃。消灯以降スタッフはいなくなるが、PC等で作業している人がいるときは、その部分だけ照明をつけていてくれる。
また、俺が泊まった寝室は5階で、屋上の横の部屋だったことから、夜中の洗濯機の音が若干気になった。
おしゃれな雰囲気に包まれたい人にはお勧め。
BACK PACK STATION
当時一泊993円。5階建て(屋上付き)。対応言語は英語、タイ語、日本語(スタッフが日本語を話せる訳ではない)。日本ではとても有名な日本人経営ゲストハウス。注意書きは日本語で書かれていたりする。俺の評価は10点中7点。
この宿についてはネット上でたくさん紹介されているため、俺があえて説明する必要がないので、写真説明は省きたい。
こちらのブログにて詳細にリポートされていたので紹介したい。
・きき酒師渡邊さんのブログ:旅の自然と「ごちそうさまです」
・記事:【BACKPACK STATION・バンコク】神経質な俺が泊まった感想
立地
・BTSスクンビットラインのプラカノン駅から徒歩5分程度の好立地。
・宿前にはローカルストリート。たくさんの屋台フードを楽しむことが可能。
・徒歩1分でセブンイレブンあり。
・徒歩5分でファーストフード店やレストラン複数あり。プラカノン市場あり。
寝室
2段ベット構造で、2階に人が上がるとき、他の寝室に振動が伝わってしまうので気を使う。また、2階の人の荷物が1階に落ちてくることがしばしばある。
枕元に貴重品入れがある構造なので、外付けのロッカーより安心できる。ベットはフカフカで綺麗。
シャワールーム、トイレ
トイレは各階に2つづつ、シャワールームは4階に4室ある。清潔感はあり、広いので換気の面は問題ないが、排水及び水圧に難がある。ボディーソープとシャンプー完備。
共用スペース
1階及び2階部分
広い共用スペースのため、快適に作業ができる。注文すればコーヒーが飲める。ゴミ箱の蓋が無いため、たまに蟻の行列ができる。無料飲料水あり。
各階にある洗面所
各階にそれぞれ洗面所がある。それぞれハンドソープが置かれているのがうれしいポイント。
キッチン
簡易的な調理等ができるキッチンとなっている。
屋上
屋上には洗濯機が2台ある。洗濯機はあるが乾燥機がないので、無造作に置かれているハンガーを用いて屋上で干す必要がある。また、この洗濯機は日中は使えないのが難点。ただ徒歩2分のところにコインランドリーがあるため、そちらを使うこともできる。
その他
日本人が経営している宿であるため、日本人バックパッカーが多く宿泊する。俺が泊まった時も日本人3人と会うことができた。一人旅をしている日本人は価値観が面白い人が多く、話すだけで自分の学びになることもあるので、ちょっと変わった日本人と交流したい人にはお勧めできる。
10時頃消灯。以降体格のいい警備員が消灯されている共用スペースに鎮座していて、少し怖いが裏を返せば安心でもある。
①宿前が屋台ストリートであるため物音が若干すること、②ゴミ箱の蓋がないことから蟻がいたりすること(匂いはない)は人によっては気になるポイントかもしれない。
最後に
タイへの直行便を使えば、思い立った翌日には旅行が可能で手軽な観光ができる。タイは南国気質の国民性と、多くの外国人が観光しに来る多様性があり、新鮮な経験ができるから、俺のようにくすぶってる社会人が心機一転リフレッシュするにはベストな旅行地であるといえる。
是非ともタイバンコク旅の宿泊地を決めるに当たってこの記事を参考にしてみてほしい。
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