一昔前のサラリーマンの通勤は高い革の手提げ鞄を使うのが一般的であったが、最近ではビジネスリュックを使用する人が増えてきた。ここでは俺が使っているビジネスリュックであるノースフェイスのバイトスリムをレビューする。結論レビューはするが、お勧めはしない。
なぜカバンではなくリュックなのか
まず、なぜ通勤にリュックを使うのかについて話さなければならない。ビジネスマンが通勤にリュックを使うのは、いかがなものかという声もまだ残っている。確かに大事な商談がある際にカジュアルなリュックで来られると違和感しかないが、毎日の通勤用として使用する分には片手で持つ鞄と異なり、下記のとおり利便性が高い。
両手が空く
リュックを使うことで当然ではあるが両手が空く。両手が空くことで何かと利便性が高く、リュックに慣れると手提げ鞄を使用することができなくなる。例えば雨の時には傘を差さなければならないが、傘を折りたたむときは片手だけではなく、両手を使わなければならない。また、飲み物など持つ際にも鞄の場合では片手に鞄、片手に飲み物を持つこととなり、両手が埋まってしまうことで煩わしさを感じる。リュックであれば飲み物を持っても片手が空くため、こういった煩わしさを軽減できる。
重く感じない
鞄の場合、重量のある荷物を中に入れるとそれを片手で持たなければならず、重みを感じる。重い荷物があるときは左手が疲れたら右手、右手が疲れたら左手と持ち替えざるを得ない。また、鞄に肩掛けショルダーがついていても、片側の肩一点で荷物を支えなければならないため、重みが方に集中し、重みを感じる。
この点、リュックであれば両肩の2点で荷物を支えられるため、手や片方の肩で荷物を支えるより、重さの体感を軽減することができる。
置忘れが少なくなる
リュックは手提げ鞄より忘れ物がなくなる気がしている。なぜなら、鞄であれば荷物を収納するときなど、ことあることに一度鞄を地面などに置く機会がある。一方で、リュックは常に背中に背負っていることから、背中からリュックが離れた際にはソワソワ違和感を感じることができる。普段密着している分、離れた時には体感的に違和感を感じることから、置忘れがなくなると考えている。
THE NORTH FACE バイトスリム
ノースフェイスとは
俺がわざわざ説明する必要もないとは思うが、ノースフェイス(The North Face)とは、1968年にカリフォルニア州で設立されたアメリカ発のアウトドアブランドで、高品質な登山やハイキング向けの装備をはじめ、耐久性、機能性に優れたアイテムを取り扱っている人気ブランドである。
その用途はアウトドアだけでなく、ストリートファッションの一部としても支持されており、スタイリッシュでありながら機能性も兼ね備えたアイテムが、若者を中心に人気を集めている。そんなノースフェイスからビジネスシーンで使用できるバックパックは二つある。
ノースフェイスのビジネスリュック
ノースフェイスが販売しているビジネスリュックは「シャトルデイパック」と「バイト」があり、夫々通常タイプと容量を減らしたスリムタイプがある。なお、シャトルデイパックとバイトの形状や内部構造は全く同じものであり、違うのは表面の材質(生地)だけである。
シャトルデイパックスリム
バイトスリム
高強度のナイロンを使用したビジネスリュックであるシャトルデイパックは、ビジネスシーンでも普段使いでも使えるシンプルなデザインである。
一方でバイトスリムは光沢感のある水を通さない生地が使用されているビジネスリュックで、シャトルデイパックと比べて表面の生地がツルツルとしている。少しスポーティーな見た目になっているが、こちらも普段使いも可能な見た目をしている。ポケット内部の構造はシャトルデイパックと全く同じであり、多数の内ポケットがあるため、収納物を迷うことなく整理することが可能である。クッション性のあるPCスリーブとタブレットスリーブも完備している。
なぜバイトスリムを選んだのか
スマートな見た目
せっかく数万円するリュックを購入するのだから、通勤用のみに使えるリュックではなく、街歩きにも適した普段使いが可能なリュックである方が良いと考えた。このため、できる限りスマートな見た目で、かつ、主張が強すぎないリュックがいいと考えた。バイトスリムはポケットなどが付いておらず、見た目がかなりスマートであり、街歩きにも適している。長方形をベースとした形で色も黒で統一されているため、どんな服装でも着用が可能である。
普段使う物をストレスなく収納
普段使うものとして、家の鍵やノートPC、書類、財布などの小物類などがある。バイトスリムはこれらが一つづつ収納することができるように設計されている。後述するが、内ポケットはかなり細分化されており、これらの小物がそれぞれジャストサイズで収納することができる設計になっているため、小物ごとに収納位置が決まり、何も考えなくてもどこに何があるのかを把握することができる。内ポケットが多いことから、物を整理することが容易のため、ストレスなく物を出し入れすることが可能である。
背負い心地
毎日使うものであるため、背負い心地は必須であると考えた。バイトスリムはショルダー部分の面積が大きく、背負っていても重さの体感を緩和できると考えた。
防水加工
当然ではあるが、雨の日も風の日も通勤は必要となることから、防水機能が欠かせないと考えた。バイトスリムは同形状のシャトルデイパックと比べ防水生地でできているため、通勤に適していると考えた。
ディテール
外観
実際に俺が使っているバイトスリムの外観であるが、防水使用のため少しゴムのような生地になっている。黒くてコンパクトなデザインをしており、引き算で作られたような無駄のないスリムな形状である。止水ジッパーが使われていて雨に強い。
サイドポケット
バイトスリムは通常のバイトと違い、スリムタイプになるためサイドポケットが無い。コンパクト性を向上させるために必要最小限の通勤にビジネスリュックを導入しているのに、この点で致命的に利便性が悪くなっていると感じる。
例えば雨の日には折りたたみ傘を使うが、室内に入る際には外付けのサイドポケットが無いため、濡れている傘を手持ちしなければならない。
また夏の日の通勤の際に飲み物を買う場面では、ペットボトルを収納するサイドポケットが無いことから、ペットボトルを手持ちするか、メイン収納部分に入れることとなる。この場合、結露した水滴がリュック内を湿らせると同時にスリムな形状も壊れてしまう。後述するがメイン収納は専ら書類やノートPCを入れるために設計されており、3cm程度の仕切りで内部が仕切られているのみであることから、ペットボトルを収納すると必ず形が崩れる構造になっている(物は入れることはできる)。
このようにサイドポケットがないことで、主に水気がある荷物を収納するのに苦労する。加えて通勤の際にはこのような荷物が生じることが多いためかなり使い勝手が悪い。
前面上部ポケット
前面上部はチャックで全てのを開くことができ、何がどこにあるか、一目でわかるように設計されている。ポケットの厚さは2cm前後であるが、内ポケットが上記写真のとおりついている。
左にはほぼ全てのサイズのスマホを収納することができるサイズのポケット、右にはメッシュのチャックポケットがある。また、メッシュポケットの中にはキーフックがついている。
収納例
キーフック
この収納部分は通勤の際に持ち運ぶ小物類を整理することができるようになっていて、使い勝手は良かった。
前面下部ポケット
前面下部のチャックは上部ポケットと異なり開口部を全て開くことができないが、中には大きさが大~小の3つの内ポケットが付いており、物の大きさに応じてに整理して収納することが可能である。こちらも全面上部のポケットと同様2cm程の厚さの空間となっている。
収納例
メイン収納
メイン収納部分は2つの仕切りがあり、3つのスペースで構成されている。幅は左から体感で3cm1cm3cmとなっている。全てのスペースで15.6インチのPCが収納できるものとなっている(真ん中のスペースのみ少し深さが浅い)。
PCスペース
一番背中側のスペースはPCスペースとして使用が想定されているため、仕切りについても分厚いクッションになっており、PCを保護するのに十分なクッション性を有している。実際にPCを入れて使っているがかなり安心感がある。
タブレットスペース
タブレットの収納が想定されているスペースである。15.6インチのPCも収納することができるが他の2つのスペースに比べて深さも浅く、幅も1cm程度のものとなっている。
書類収納スペース
背負った時に最も前面にあるメイン収納部分である。両サイドがツルツルの素材で囲われた3cm程の幅の収納スペースとなっている。こちらには書類を収納することが想定されえていると思われるが、折りたたみ傘くらいの厚さの物であれば収納が可能である。
収納例
ショルダー部分、背中部分
ショルダー部分の厚さは2~3mm程の厚さで、クッション性は皆無である一方で、背中と接する面積は広いため、ある程度荷物の重さが背中に伝わらない構造となっている気もするが、夏場は背中にピッタリくっつくため、蒸れがすごい。
背中部分は氷?のようなデザインが施されているが、特段クッション性があるものではなく、通気性も特段他のリュックと変わらないものになっている。
悪かった点
前面下部のポケットが開けづらい
前面下部のチャックが上部のポケットに干渉しており、開けづらい。せっかく内ポケットが充実しているのに、アクセスしずらい構造となっているため、かなり残念に感じる。必然的にあまり取り出さないものを優先的に収納することとなってしまっているのが現状である。
ショルダー部分が薄い
前述のとおりショルダー部分が薄く、クッション性が皆無であり、荷物が揺れる振動が直で伝わってくる。また、夏場は蒸れる。
外づけドリンクホルダー(サイドポケット)がない
サイドポケットがないため、結露するドリンク類、折りたたみ傘などの水分が付くものを収納する際の使い勝手が悪い。
これがビジネスリュックとしては致命的であると考える。せっかく利便性を求めてリュックを通勤に導入しているのに、利便性が悪くなっている。
ただ、この部分はスリムタイプ特有の問題であり、通常の「バイト」や「シャトルデイパック」であればサイドポケットがあるようなので、門ぢはないと思われる。
てかる
バイトはその生地の性質上使い続けていくと、購入当初のマッドな質感は喪失し、写真のように生地が光沢を帯びてくる。好みの問題なのかもしれないが、使用感が出てくるため、俺は少し好きになれなかった。
最後に
これからリュックを購入しようとしている人はこのレビューを参考にどんな機能がビジネスリュックに必要なのか参考にしてほしい。
今回の購入で通勤リュックに求められる機能は俺の結論としては「防水性」「ドリンクホルダー(サイドポケット)」「PC収納」「内ポケットの充実さ」「ショルダーのクッション性」が必要であると感じている。
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